ご注意ください

DNA鑑定依頼をご検討いただく中でご注意いただきたい点がございます。

・即日結果の危険性

当団体では検体からDNAを抽出した後にリアルタイムPCR(*1)を用いてDNAの定量を行っております。この作業を行うことで、DNA量に加えて抽出したDNAの分解具合などをかなり正確に見積もることができます。
時間も手間もかかるDNAの定量をなぜ行っているかというと、DNA量が微量な検体を見つけるためです。

実際、採取が十分でない検体や雑菌の繁殖によりDNAの分解がすすんだと思われる検体が、まれにではありますが送られてくることがあります。
このような検体を用いて検査を行うと、本来の遺伝子型とは異なる遺伝子型と判定されたり、そもそも結果が得られないということがおき、鑑定の誤りを引き起こしかねません。
当団体では、正しい鑑定結果を得るには十分な量のDNAが必要だと考えております。
そのため、DNA定量後に問題がある場合は正しい結果を出すためにも、依頼者へ再検査のご連絡を差し上げています。

DNA鑑定は人の一生を左右するものです。
即日結果お渡し等、短期間での結果を出す業者もありますが、当団体では正しい結果を得るためにも必要な時間と労力は掛けるべきだと考えます。

*1リアルタイムPCRとはRealtime-Polymerase Chain Reactionの略で、DNAの一部分だけを増幅する技術のことです。その増幅具合を時間経過とともに測定でき、溶液の中にDNAがどれくらい存在しているかを知ることができます

 

・出生前鑑定の危険性

一部の業者で行われてはおりますが、鑑定料が20万前後と高額な上に、鑑定結果もどこまで信頼できるか不明な部分もあります。
また、日本産科婦人科学会は、法的に必要な場合を除き「出生前親子鑑定など医療目的ではない遺伝子解析・検査を行ってはならない」
と指針で定めており、鑑定結果によっては安易な中絶を助長する危険性も考えられます。
誰が親であるかによって命の選択がなされることにつながる可能性もあります。
以上の内容により当団体では出生前の鑑定をおすすめしておりません。